6年前に高校1年生の長女を学校の体育祭で亡くした福井市大東、主婦川崎真弓さん(50)が、自動体外式除細動器(AED)の普及と、使い方の指導に取り組んでいる。1月には、活動の輪を広げるためボランティア団体「命をつなぐ心を育てる会 命のバトン」を設立。代表を務める川崎さんは「AEDで救える命がたくさんあることを、多くの人に知ってほしい」と話している。9日は「救急の日」。 川崎さんの長女沙織さん(当時16歳)は2002年9月6日、高校の体育祭のリレーで、次の走者にバトンを渡し終えた直後に突然、倒れた。救急車が到着したのは、約15分後。病院に搬送されたが、死に至る不整脈の心室細動を起こしており、医師からは「脳に長時間、酸素が送られなかった」と告げられた。4日後、沙織さんは自発呼吸ができなくなり、亡くなった。 亡くなった沙織さん(遺族提供) 川崎さんは、図書館に通ったりインターネットを使ったりして沙織さんが亡くなった理由を探し続け、間もなくAEDの存在を知った。 「心室細動はAEDで救える場合がある。AEDが普及していれば、沙織の命が助かったかもしれない」。 すぐにAEDの講習会や救命ボランティアの活動に参加。06年にはAEDの使い方を教えることができる指導員の資格を取得。同年末から、学校や公民館などで、子どもから大人までを対象にした講習会を開くようになった。 現在、「命のバトン」には、主婦や会社員ら約20人が参加。地域のほか、事業所や各種団体からも講習会の要請があり、受講した人の数はこれまでに500人以上にのぼるという。 「沙織を亡くした悲しみは今も癒えないけれど、沙織が応援してくれていると思って活動に取り組んでいる」と川崎さん。AEDは公共施設を中心に普及が進み、県内での設置台数は1000台を超えるが、「多くのAEDが設置されても、使えなかったら命は救えない。命のバトンをつなぐための第一走者として、すべての人にできることがあると、伝えていきたい」と話している。 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20080908-OYT8T00754.htm
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