難病を患いながら、わずかに動かせる右手で絵を描き続ける愛知県東海市中ノ池、主婦武下久美子さん(61)が19日、神戸町の南平野小学校で命や言葉の大切さを説く2度目の講演を行った。 武下さんは12年前、難治性の反射性交感神経萎縮症(RSD)を発症。全身に強い痛みを伴う病気で、原因は解明されていない。血行障害から4年前に左足を、昨年右足を切断した。 「泣いて叫んで暴れてしまう」ほどの体の痛み。夫の昭信さん(62)も、頭を抱え泣いていた時、友人から絵手紙を書くことを勧められた。つらいこと、喜びなどを描くことで心がほぐれた。 そんな時、医師や看護師から受けた心無い言葉。痛みを理解してもらえず「心の病で痛いのでは」などの暴言は続き、武下さんは思い悩んで自殺未遂を図った。 病室を訪れた息子は「どんな姿になってもお母さんに変わりない。生きて」と泣きながら話したという。家族や友人の励ましで「大きな勇気をもらった」と武下さん。リハビリに励み、パソコンを習い、徐々に前向きになった。 武下さんは時折涙を流しながら「生きているからこそ得られる幸せは多い」と話し、「悩みは積もり積もって自分ではどうしようもなくなる。誰でもいいから話してみて」と呼び掛けた。 講演後、自らパソコンで作った絵入りのしおりや便せんを児童一人一人にプレゼント。児童は「体は痛くないですか」などと丁寧にお礼の言葉を掛けた。 竹中元子校長は「講演を聞き、言葉の重み、命の重みに気付いてほしい」と話す。 6年生の女子は「言葉は、使い方を間違えると人を追いつめることを知った」と感想文を書いた。「死にたいと思っていたが、話を聞いた時から私は変わります」と書いた子も。
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