広がる地域間格差、奈良体育系2校のみ

大阪府立天王寺高校の事務室に置かれているAED(大阪市阿倍野区で)
全国の公立学校で、心停止状態になった救急患者の救命に役立つAED(自動体外式除細動器)を配備する動きが広がっている。近畿では、和歌山県で昨年5月、県立高校生が部活動後に心臓発作で突然死する出来事があり、公立高校を中心に急速に配備が進んだ。しかし、財政事情から遅れ気味な地域もあり、救急救命体制に学校間格差が生まれつつある。
■きっかけ
「あの時、AEDがあれば……」。和歌山県田辺市の県立田辺高の立野淑郎校長は唇をかむ。ソフトテニス部の1年男子部員(15)が練習後、部室で心停止状態に陥ったのは、2006年5月。心臓マッサージのかいなく、約2時間後に亡くなった。05年10月に同県立箕島高で1年男子生徒が体育の授業中に突然死したのをきっかけに県立校の一部が学校の予算でAEDを購入。田辺高も検討中だった。
AEDは1台数十万円。今年2月の「東京マラソン2007」で心肺停止になったランナーの救命に役立ったことでも注目を集めたが、教育現場では、▽子どもが突然死する重大性▽球技や接触スポーツなどの激しい運動を伴う▽救急救命に対する教育効果――などから整備が急がれている。
■先進県
愛知県では、一般市民も使えるようになった04年度に高校や盲・聾(ろう)・養護学校など全県立学校182校にいち早く配備を終えた。が、こうした先進県は少数派。
徳島県では05年4、5月に県立高校で突然死が相次いだため、直後に全校に備えた。同年11月、県立高校で休み時間中に生徒が心停止状態に陥ったが、AEDで措置し、一命をとりとめた。和歌山県では田辺高の事故翌月、「悲しい教訓を生かしたい」と県が未配備の41校への配備を表明し、一気に整備。滋賀県も田辺高の事故を機に全69校への設置を決めた。近畿では、京都府(58校)、兵庫県(167校)を含めた4府県がすでに全校配備を終えた。
■財政難
一方、奈良県では、全52校中、県の予算で配備したのは体育系学科がある2校だけ。「緊急に必要とまでは考えていない」(県教委)という。大阪府(169校)は一昨年から5年計画で整備を進めており、先月末までにようやく84校に配備を終えた。府教委の担当者は「財政難で一度に購入するのは難しい」と話す。
文部科学省によると、昨年4月時点で、公立高の配備率は22・8%、公立中は8・9%、公立小は4%。
日本循環器学会AED検討委員会委員長で、東京都済生会中央病院の三田村秀雄副院長は「成長とともに不整脈が出ることがあり、小中高校に限ると、心臓が原因の突然死は高校生の発生が最も多い。校内では事故時に目撃者がいて救命できる機会が多い。配備が進まないのは意識の問題に尽きる」と話している。
AED
けいれんした心臓を電気ショックで正常に戻す装置。救助者は胸に電極パッドを装着し、音声に従って操作するだけでいい。措置が1分遅れると救命率が10%下がるとされる。04年7月から一般市民も使えるようになった。 http://osaka.yomiuri.co.jp/edu_news/20070407kk02.htm
都道府県単位で見ると先進県は、福井県だろう・・・。東京都や埼玉県・福岡県も先進的な県だと感じる。北海道でも札幌市を筆頭に旭川市・帯広市など地方都市でも急速に導入が進みつつあります。 財政難という事も有りますが、AEDの値段が高いという事が普及を遅らせている最大の原因だと思います。 台数が纏まれば信じられない様な価格が出たり価格の信憑性が本当に問われると思う。
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