統計を取るのは非常に大変な作業だと思います。28%の人が現場で応急手当を受けていますね。でもこの調査は2003年ですからAEDが一般開放される前の数字ですね。 今ならもっと高い数字に成っているでしょう・・・。
SOS-KANTO(Survey of Survivors after Out-of-Hospital Cardiac Arrest in Kanto region of Japan)は、人工呼吸なしに胸部圧迫のみが行われた患者と、通常のCPRが適用された患者の神経学的予後の比較を目的として、日本救急医学会関東地方会により、関東の58の救急施設で2002年9月1日から2003年12月31日に行われた。 対象は、院外で心停止を起こした人。現場に到着した救急隊員が、その場にいた人から、救命手当の方法や患者の発症時刻について聞き取り調査し、ウツタイン様式に基づいて記録した。 主要エンドポイントは、心停止から30日以内の神経学的予後に置いた。5段階からなるグラスゴー・ピッツバーグ脳機能カテゴリーで、1(脳機能良好)または2(中等度の障害)を予後良好、3-5(重度障害から死まで)を予後不良とした。2次エンドポイントは30日時の生存に設定した。 解析対象は4068人の成人。院外で心停止状態になり、その場に人が居合わせたケースを登録した。現場で救命手当を受けていたのは1151人(28%)、うち439人(11%)には胸部圧迫のみ、712人(18%)には通常のCPRが適用されていた。残りの2917人(72%)は救命手当なしだった。 神経学的予後が良好だった患者は、救命手当なし群に比べ、手当あり群に有意に多かった(2.2%と5.0%、P<0.0001)。また胸部圧迫のみ群の方が、CPR群より神経学的予後良好患者が多い傾向が見られた。多変量ロジスティック回帰分析を実施した結果、CRPと比較した胸部圧迫のみの予後良好の調整オッズ比は2.22(95%信頼区間1.17-4.21)。このほか予後良好の予測因子は、年齢が若い、除細動により救えるケース(心室細動または頻脈)などだった。
2次エンドポイントである30日の時点の生存率には、有意差はなかった。
得られた結果は、胸部圧迫のみの救命手当は、院外で心停止に陥った患者、特に、無呼吸の患者、徐細動により救える患者、心停止からの時間が短い患者に対して、従来からのCPRと同等か、より好ましい措置であることを示唆した。
ガイドラインでは胸部圧迫を奨励 院外で心停止に陥った患者にCPRが適用される頻度は約30%と報告されている。
CPRの要素の一つであるマウス・トゥー・マウスの人工呼吸は、その場に居合わせた人による救命手当をちゅうちょさせる。また人工呼吸と胸部圧迫を交互に行うCPRも、一般市民にとって簡単なものではない。そのため最新の国際的なガイドラインは「場合によっては胸部圧迫のみの蘇生も推奨する」としている。
日本でも、日本版救急蘇生ガイドライン策定小委員会の手による新しい救急蘇生ガイドライン(BLS)が2006年6月12日に発効、胸部圧迫のみの救命手当が成人患者に対する一次救命処置の一つとして推奨された。
このガイドラインの「主に市民(日常的に蘇生を行わない者)が行うためのBLS」の項目に、「人工呼吸が実施困難な場合は省略し、速やかに胸骨圧迫を開始する」と書かれている。
ガイドラインの変更は一般紙にも取り上げられたが、いまだ広く知られるようにはなっていないのが現状だ。
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