子どものころに義務教育を受けられず、「勉強したい」と公立夜間中学の設立を願っていた和歌山市の無職、能勢博之さん(65)が先月、夢見た卒業証書を手にすることなく亡くなった。全国夜間中学校研究会の試算では、全国に義務教育の未修了者は100万人を超えるが、公立夜間中学は8都府県に35校しかない。ボランティアで能勢さんを教えた小学校教諭は「夜間中学を多くの人が待ち望んでいるが、多くは高齢で時間がない。『学びたい』という能勢さんの思いを何とかつないでいきたい」と話す。 1人暮らしの能勢さんは11月8日に自宅で病死しているのが見つかった。今月7日に東京都内で開かれた全国夜間中学校研究大会で思いを発表する予定だった。 幼いころに中国・満州から父親、妹と岡山に引き揚げたが、父親が病死して養護施設に入所。農作業などに追われて学校には行けず、左官として働き始めたが読み書きや計算ができなかった。買い物で出すのはいつもお札。肉屋では豚と牛の違いが分からなかった。 転居した和歌山市で民間企業を退職後、夜間中学に通おうと思った。しかし、県内にはなかったため99年から識字学級に通った。だが、1回1時間半、月2回の授業では足りず、00年からは小学校教諭がボランティアで能勢さんだけの自主夜間中学を設け、月2回授業が追加された。 百マス計算を繰り返して2年かかって九九が言えるように。漢字も覚えて年賀状も書いた。喜びを作文に記した。「自分の手で書けた時、とてもうれしかった。三枚出して二枚届いた。(中略)来年は返ってきた所にも届けたい」。それでも公立の夜間中学と違って学ぶ時間は少ない。「学校で勉強して、回覧板や手紙が読めるようになりたい」。そう願った。 自主夜間中学で能勢さんを教えてきた小学校教諭、吉本拓司さん(46)は「常に前向きで『死ぬまで勉強や』の言葉を地でいった人だった。一日も早く公立夜間中学をつくることを能勢さんに約束したい」と話す。 文部科学省によると、公立夜間中学は1954年の87校から今年5月現在で8都府県35校まで減少。研究会の人権救済申し立てを受け、日本弁護士連合会は今年8月、実態調査や設置指導などを求める意見書を文科相に提出した。 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061218k0000m040061000c.html
能勢さんのように義務教育を受けたくても受けられなかった方が沢山いらっしゃるのですね。 教育改革法案が成立しましたが、能勢さんのように大人に成っても学びたいと思われている方々の気持ちを叶える事も教育の役割では無いでしょうか? 公立の小中学校はどこにでも有りますが夜間中学校のある場所は私も判りません。 お年寄りの方でもこうして死ぬまで勉強している姿を子供達に見せるのも一つの教育方法じゃないかと思います。 思い半ばにして他界された能勢さんの気持ちこそ勉学の魂のように感じます。
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