仙台市太白区で今年4月、地下鉄の駅員が、自動体外式除細動器(AED)を使って、心肺停止状態だった男性会社員(33)の命を救った。一刻を争う現場では、AEDの活用が生死を分けることもあり、仙台市消防局は今年度、民間の力を活用し、街中にAEDの救急体制の網を張り巡らせることにした。(秋山洋成) 4月8日午前8時20分頃、市営地下鉄富沢駅の階段で、通勤途中の会社員が意識を失い、心肺停止状態になっていた。今野義治さん(49)、佐藤朋弘さん(43)ら駅員3人が、駅事務室にあるAEDを取り出し、男性の上着を脱がせると、電極パッドを付け、電気ショックを行った。 その後、救急隊員が病院に搬送、男性は助かった。駅員の高橋雄治さん(42)は「音声に従うだけで使いやすかった」と振り返る。太白消防署は今月15日、「素早いAEDの利用が(救命に)大きかった」と3人に感謝状を贈った。 先月15日には石巻市の体育館で、卓球中の男性(72)が意識を失い、倒れた。職員らがすぐにAEDを使用。男性の心臓は再び動き出し、一命を取り留めた。今では病院を退院、卓球を楽しんでいるという。 仙台市消防局によると、心停止の場合、1分を経過するごとに約10%ずつ救命率が低下する。一方、市内の救急車の平均到達時間は通報から約7分。救急車が到着するまでの間、AEDの利用が生死を分けるケースもある。 市は、運動施設や小学校などにAED339台(昨年7月現在)を設置。民間施設に設置義務はないが、製造メーカーや電器店などで1台20〜50万円程で購入できるため、遊技施設やホテル、百貨店などでも導入されている。だが、市消防局はAEDが設置されている施設は把握できていない。 そこで、市消防局は今年度、市内の全事業所を対象に、業界団体などに協力を呼び掛け、AEDの更なる普及を図るとともに、保有状況を把握することにした。 保有施設には、ステッカーなど統一した表示を掲示するほか、施設の担当者らに、救命措置の講習会を開き、路上で倒れた急病人らの救命行為をしてもらう計画だ。 市消防局救急課は「民間の協力を得て、街中にAEDの救急体制を網の目のように広げ、一人でも多くの患者の命を救いたい」と話している。 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20090625-OYT8T00098.htm
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